2017.7.6 国会議員の皆様にお手紙
- 下鴨神社と糺の森問題を考える会
- 2017年8月5日
- 読了時間: 3分
以下の手紙を京都を拠点に活動する与野党19人の国会議員の皆様に送付しました。
日頃は、国民のくらしと安全を守るために多方面にわたりご奮闘いただいておりますこ とを、まず初めに心から感謝申し上げます。
突然のお手紙、誠に申し訳ありませんが、京都を拠点として活動されておられるとお聞 きし、それを頼って、この手紙と資料をお届けした次第です。
ご承知の通り、京都へ訪れる 5000 万人を超える観光客のうち半数以上の方が世界遺産周 辺を観光し、世界遺産・下鴨神社糺の森を中核とする下鴨・北山エリアを観光された方は 6.8%を占めます。観光客の満足度の中でも、「寺院・寺社、名所・旧跡」が 1 位 32%、 「自然・風景」が 2 位 20%を占め(H27 年京都市観光統計より抽出)、京都が今後も文化観 光都市と発展していく上で、自然と一体化した京都の世界文化遺産の価値を守ることは非 常に重要になっています。
ところが、その世界遺産「古都京都の文化財」が開発による破壊の危機にさらされるこ とにより、京都の持続可能な発展に赤信号がともっています。銀閣寺周辺と仁和寺周辺に ついては住民の反対運動により開発が中止となっていますが、二条城では、北側の緑地帯 は破壊され観光駐車場にされてしまいました。下鴨神社・糺の森では、森の一部が破壊さ れマンションが建設され、さらに、森の東端を削り取る大型倉庫建設の動きもあります。 私たちは、これらの開発により残された「糺の森」全体への悪影響を大変心配しておりま す。
このまま、開発による破壊を認めていくと、京都のまち全体の魅力が失われる恐れが あります。 すでに、文化庁や京都市はもとより、今年 2 月にはユネスコ世界遺産センター(パリ) への申し入れも行い、私たちの懸念を伝え、これ以上の破壊が進むことのないように、あ るいは少しでも原状回復されるように、求めているところです。
ユネスコ世界遺産委員会は、現在 55 の世界遺産を危機リストに登録し、こうした事態を 未然に防ぐ有効な手段として、世界遺産の保全管理について遺産周辺の住民参加を重視し ていますが、この日本においては、そうした世界的な教訓に対応した法制度・財政支援の 枠組みが全く追いついていません。是非とも、国会におきまして、世界遺産を保護するた めの枠組みを作るべくご助力いただけますように、お願い申し上げます。
なお、文化庁やユネスコ世界遺産委員会に提供した資料の一部を同封しております。よ り詳しい情報が必要でしたら、ぜひ、お問い合わせください。
以上
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